患者満足度調査は病院に対する患者さんの満足度を知る重要な取組みです。まず「患者満足度」に関心を持ち病院としてそれを調査しているということが大切です。病院としては「満足している」という回答の割合が大きければ大きいほどよいということになります。よく話題になるのが駐車場や待ち時間の長さだったりします。病院としては、患者さんの満足度を把握しながらこれらの問題を解決していくことになります。

患者満足度が一見低くとも来院する患者さんが減らない病院もあります。逆に待ち時間対策をしたのに来院する患者さんが増えないということもあるかもしれません。病院の質の根幹は提供する医療の質にあります。医療の質を上げずに待ち時間短縮だけに取り組むと、患者さんの真に求めていることに応えていないということになるかもしれません。

この患者満足度調査では多くの項目についてアンケートするのですが、その結果の解釈は幅広い見地から行うべきです。その上で、病院としての課題を的確に汲み上げる必要があります。

全日本民医連のデータと比較すると、退院患者の満足度(すなわち入院医療に対する満足度)は2011年は中央値をやや下回り、2012年はさらに低下しています。外来患者の満足度は2年連続して中央値を大きく下回っています。要するに、全体にぱっとせず、さらに低下傾向にあるということになります。2年間のデータのみで速断は避けるとしても、当院がこの患者満足度調査をどの程度重視して病院活動に反映してきたかを振り返る必要はあるでしょう。

2012年の結果を受けて病院管理部では、各部署での取組みを促すことと平行して病院食、診察待ち時間、プライバシー、駐車場、売店、ホームページなどを重点項目として患者満足度の改善に取り組むことを議論しています。

結果表
年度 A.入院患者 B.外来患者
2011年 「満足している」割合: 81.8% 「満足している」割合: 62.5%
2012年 「満足している」割合: 75.5% 「満足している」割合: 61.2%
指標の計算式、分母・分子の解釈
  各指標の計算式と分母・分子の項目名 分母・分子の解釈
備考 1年間で、各病院で期間を決めて実施し、12月に報告する
分子 A)退院患者で「5.満足している(例)」「4.やや満足している(例)」と回答した合計
B)外来患者で「5.満足している(例)」「4.やや満足している(例)」と回答した合計
各病院で、アンケート用紙に「総合的な評価に関わる項目(5段階)」を位置づける。
分母 A)退院患者の有効回答数
B)外来患者の有効回答数
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全日本民医連2011年60施設、2012年70施設参加「医療の質向上・公開推進事業」データより
年度 A.入院患者 B.外来患者
最大値 中央値 最小値 最大値 中央値 最小値
2011年 99.2% 86.3% 59.4% 95.5% 84.9% 56.3%
2012年 100.0% 86.9% 60.9% 98.9% 83.1% 35.3%