日本で医療を受けるためには医療保険に入っていなければなりません。しかし、経済的に困窮している方々の中には保険料を支払えない方もいます。保険料を払っていても自己負担の料金を支払えない方もいます。その方々はお金がないので治療を受けられないという事態に陥ってしまいます。不況が長引き高齢化社会も進みそのように困っている人が増えていると言われています。
そのような金銭に関する問題を部分的にでも救済する国の施策がいくつかあります。地域の方々を受け入れている病院としては当然そのような施策を詳しく知り、病院活動の一環として取り組むことが期待されます。経済的な問題で医療を受けられないというのは、大変悲しい事態です。そのような事をなるべく減らすように病院として何をどの程度行っているのかを見るのがここに挙げたいくつかの値です。
その地域が相対的に豊かであれば、この値は高くはないかもしれません。しかし、過疎や不況で悩む地域の病院では相対的にこの値は高くなるでしょう。行政の公表する地域情勢の推移と病院のこの値の推移を比べながら、行うべきことをしっかり行っているかを判断する資料となります。
無料低額診療事業とは、低所得者などに医療機関が無料または低額な料金によって診療を行う事業です。国の定めた条件に基づき各病院で取り組む事業になります。当院の場合、この対象になっているのがこの2年間は2%台で推移しています。全日本民医連のデータの中央値の0.62%と比べると高い割合になっています。最大値の約43%は非常に高い値です。その病院をめぐる地域の状況が強く反映していることがうかがわれます。当院の場合は、全日本民医連のデータとの比較では、他の項目もみてもそれなりに堅実に行えているのではないかと推察されます。今後、これらの活動がしっかりと継続できているのかどうかを確認し続けることが求められます。
各指標の計算式と分母・分子の項目名 | 分母・分子の解釈 | |
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備考 | 近接診の患者含む | 外来分離した門前診療所 |
分子 |
A)無低診対応件数 B)短期保険証相談件数 C)資格証明書相談件数 D)無保険相談件数 E)短期保険証受付け件数 F)資格証明書受付け件数 G)無保険受付け件数 |
相談件数は、医療ソーシャルワーカーが対応した件数 受付け数は、受診した患者数 |
分母 | 患者規模(1日平均入院患者数+1日平均外来患者数/3) | 1日平均入院患者数=(24時在院患者数+退院患者数の合計)÷診療実日数 |
区分 | 最大値 | 中央値 | 最小値 |
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無低診対応 | 36.3% | 0.6% | 0.0% |
短期保険証相談 | 5.2% | 0.1% | 0.0% |
資格証明書相談 | 0.4% | 0.0% | 0.0% |
無保険相談 | 1.7% | 0.2% | 0.0% |
短期保険証受付 | 34.9% | 2.1% | 0.0% |
資格証明書受付 | 0.6% | 0.0% | 0.0% |
無保険受付 | 12.1% | 0.3% | 0.0% |