精死亡率とは、入院してから48時間以降に死亡した患者さんを数えて計算します。48時間までは入院治療の影響というよりそもそもの病気の影響が大きいと考えて除外されています。すなわち、この精死亡率にすることで入院治療の結果がより強く反映すると考えられます。

しかし、病院は人が亡くなる場所でもあります。したがってこの精死亡率がゼロになることはありえません。どの程度の値が望ましいかも簡単に言うことはできません。病院の大きさや地域における役割などによって病院ごとに大きく異なる数値となることでしょう。

しかし、おおまかに同じような性格の病院全体としてどの程度の値をとるのか、それに対して当院がどのような位置になるのかを把握してそれを経年的に追うことは意味があると思われます。当院の医療活動の変遷がこの数値の変化に反映するものと考えます。

当院は、全日本民医連のデータの中央値から若干少ない値となっています。2012年データをさらに詳しく検索して300床以上の基幹型臨床研修病院かつDPC病院の15病院で調べてみても中央値は5.22です。いずれにせよ当院はおおむね同規模病院のなかで中ほどの位置にあることが分かりました。

当院に入院する患者さんの中で65歳以上の方の占める割合は増え続けており、すでに半数を超えています。一方マスコミなどでは在宅医療や最期まで自宅で過ごすというような話題が喧伝されています。このような病院をめぐる社会の変化によって私たちの病院も影響をうけることでしょう。

2011年と2012年を比較しても大きな変動はありません。しかしさらに数年後には、当院の医療の緩やかな変化を見ることができるかもしれません。

指標の計算式、分母・分子の解釈
  各指標の計算式と分母・分子の項目名 分母・分子の解釈
分子 死亡退院患者数-入院後48時間以内死亡(人) 精死亡率(死亡退院患者数-入院後48時間以内死亡)、緩和ケア病棟含む
分母 退院患者数(人) -
全日本民医連2011年60施設、2012年70施設参加「医療の質向上・公開推進事業」データより
年度 最大値 中央値 最小値
2011年 16.7% 5.5% 0.0%
2012年 18.4% 5.8% 0.0%