リハビリテーションの目標は身体機能の改善と同時に社会への復帰です。その意味で最も重要なアウトカムの一つです。診療報酬で回復期リハ病棟の施設基準の一つに採用されています。
診療報酬上の定義に添っており、「復帰」の定義は明瞭です。人数の算出も困難ではないので誤差はほとんどないと考えられます。さらに、疾患別に集計すればそれぞれの施設の特徴も伺うことができます。
2014年度の結果の解釈
2012年72.4%、2013年74.9%、2014年74.9%とほぼ横這いで推移しています。診療報酬上の制約があるため今後も大きな変動無く推移するものと考えられます。特に、基準である70%を割り込むことはないと考えられます。
これからはどれだけこの値を大きく出来るか、あるいはより短い入院期間で達成できるかが課題です。そういう意味でADLの利得(FIM利得など)も含めての検討が必要だと考えています。
改善策としては、入院早期からの家族への働きかけが重要です。特に障害が重症な患者の家族に対して面談や情報提供を緊密に行う必要があります。病棟でのケアへの家族の参加を促すことも試みてよいと考えられます。
各指標の計算式と 分母・分子の項目名 |
解釈 | |
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備考 | 回復期リハビリ病棟を持たない病院は対象外 | |
分子 | 退院先が在宅の患者数 | 診療報酬上の在宅復帰率に準ずる |
分母 | 回復期リハビリ病棟の退院患者数 |
「医療の質向上・公開推進事業」データより
(全日本民医連 2012年70施設、 2013年83施設、2014年51施設参加)
(全日本民医連 2012年70施設、 2013年83施設、2014年51施設参加)
年度 | 最大値 | 中央値 | 最小値 |
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2012年 | 92.7% | 79.3% | 67.0% |
2013年 | 95.0% | 79.3% | 67.1% |
2014年 | 85.7% | 79.5% | 57.7% |