転倒・転落発生率は転倒・転落を予防し、外傷を軽減するための指標です。特に、治療が必要な患者を把握していく指標です。

当院では、医療安全対策室で管理している医療事故・事故接近報告の集計データからの報告件数から指標を作成しています。

2014年度の結果の解釈

当院の転倒・転落の発生率は前年度の比べ0.7‰ ポイント減少しました。また、治療を要する転倒・転落の発生率も前年度に比べわずかですが減少しました。 当院では入院中の医療事故のうち、全報告数の3割が転倒・転落を占めており、頻度の高い事故として捉えています。 そのための対策として入院時に転倒転落のアセスメントを行い、入院7日目に評価を行っています。 更に、入院日数に応じて、1週間ごとに評価を行っています。

今年度の取り組みとしては月に2回転倒・転落の多職種によるプロジェクトチームで病棟の巡視を行ってきました。 また、事故後初期対応のフローチャートを作成し各病棟に配布し速やかな対応が出来るようにしました。 更に対策グッズの充実のためにスイングアーム柵の購入・離床センサーのコードレス化の対策を徐々に行っています。 継続な対策としては、入院時の転倒・転落の対策についての説明を本人・家族に周知・徹底を図り同意を得ることも効果があると捉えています。

指標の計算式、分母・分子の解釈
  各指標の計算式と
分母・分子の項目名
解釈
備考 ‰ (パーミル、千分率)表示
分子 A)入院患者の転倒・転落件数
B)治療を必要とする転倒・転落件数
A
当院集計データの【レベル0・1・2・3a・3b・4a・4b・5】
B
当院集計データの【レベル3a・3b・4a・4b・5】
分母 入院患者延数(24時在院患者+退院患者数の合計) -
医療の質向上・公開推進事業」データより
(全日本民医連 2011年60施設、 2012年70施設、 2013年83施設参加、2014年74施設参加)
A.入院患者の転倒・転落発生率
年度 最大値 中央値 最小値
2011年 9.7‰ 4.3‰ 0.5‰
2012年 21.4‰ 4.5‰ 0.8‰
2013年 9.16‰ 4.3‰ 1.2‰
2014年 9.70‰ 4.3‰ 1.4‰
B.治療を必要とする転倒・転落発生率
年度 最大値 中央値 最小値
2011年 0.8‰ 0.2‰ 0.0‰
2012年 1.3‰ 0.3‰ 0.0‰
2013年 1.2‰ 0.2‰ 0.0‰
2014年 0.2‰ 0.03‰ 0.0‰