医療事故とは、疾患そのものではなく、医療機関で発生した患者への有害事象のことです。事故という言葉から連想されるような医療者の過失の有無は問いません。当院が採用している判定基準では、事故の重症度は0~5までに区分されます。3bは濃厚な処置や治療を要した事故、4aは永続的な障害や後遺症が残った事故、5は死亡事故に分類されます。
当院の3b以上の医療事故の多くが転倒転落後の骨折事故です。過失がなく不可抗力のものも含まれています。ここ数年3b以上の事故は増えてはいません。
医療事故は過失の有無に関わらず意図しない結果を生じる事態をすべて含むため、「ゼロ」にするのは困難です。しかし、業務の手順を見直すことでその発生の確率を下げることができるかもしれません。そのためには体系的な事故の分析が必要です。ここに示した3b以上の事故を減らすために、できるだけ多くの事故報告書を收集・分析し、再発防止策や教育などを充実させていく方針です。