入院中の患者さんには主に医師や看護師が関わりますが、それ以外にも多くの職種がその専門性を生かして関わっています。患者さんの病状については、病気そのものだけでなく、年齢や体力、食事や生活環境など多くの事柄が関連しています。したがって、患者さんの抱える問題を複数の職種で包括的に把握して治療やケアの方針を決めることが推奨されています。特に高齢化社会を迎えその必要性は高まっています。準備不足で退院するとまた入院してしまうことになりかねません(「退院後42日以内の緊急再入院割合」の指標を参照)。入院中に医師や看護師だけでなく栄養士やリハビリテーションスタッフあるいはケアマネジャーなどが加わるカンファレンスが、どの程度行われているかを知るための指標がこのケアカンファレンス実施割合です。私たちの医療がどのようなチームワークで行われているかを知るための医療の質を表す指標です。
全日本民医連のデータと比べると当院はかなり低い値となっています。この2013年のデータで300床以上、DPC病院、基幹型臨床研修病院という条件を満たす15の病院の中でも下から4番目の値となっています。医療活動の性格の影響を受けるとはいえ、似たような性格の病院の中でも低い方に位置するのではと推測されます。昨年正確に数え上げることができたかという算出手段も課題にしていました。当院ではカルテにケアカンファレンスを行ったかどうかのカルテ記載を探してそれを数えて算出しています。この間、電子カルテへの記載方法を看護部で統一するよう対応をすすめてきました。これまで以上に正確にケアカンファランス実施数を数えるとが可能となりました。実際のカンファレンス実施数を増やししつつ、それを正確に数えて、2014年はこの数値が向上することを期待します。
各指標の計算式と 分母・分子の項目名 |
解釈 | |
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分子 | 調査月退院患者のうち、入院期間中に1回以上医師・看護師・コメディカルによるカンファレンス記録のある患者 | カンファレンスの回数ではなくて、記録のある患者数を算出する。医師、看護師は必須で、プラス、コメディカルについてはどの職種でもかまいません。 |
分母 | 退院患者数 | - |
(全日本民医連 2011年60施設、 2012年70施設、 2013年83施設参加)
年度 | 最大値 | 中央値 | 最小値 |
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2011年 | 93.6% | 37.2% | 2.9% |
2012年 | 99.2% | 42.1% | 2.4% |
2013年 | 100.0% | 40.5% | 3.0% |