A. 低出生体重児率

低出生体重児とは、出生児の体重が2500g未満の新生児のことをいいます。低出生体重児になる原因は遺伝的要因から病的な場合までさまざまですが、妊娠中の生活習慣が胎児に影響を及ぼし子宮内で発育できない原因になっていることもあります。たとえば喫煙や、急激な体重増加や不摂生よる妊娠高血圧症の発症により低出生体重児が増加するのであれば事前に防ぐことができる可能性があります。

全国的には低出生体重児は増加傾向にあります。厚生労働省の出生に関する統計をみると、1980年は5.2%だったのに対し2010年の統計では9.6%となっています。高齢出産の増加、女性の喫煙率の増加、不妊治療による多胎妊娠の増加、やせた妊婦が増加したこと、また近年の新生児医療の進歩により以前は死産していたような小さい赤ちゃんも助けられるようになったことなど、さまざまな要因があると分析されています。

当院では、多胎妊娠や、1,500g未満になるような極低出生体重児、35週未満の早産児は高次医療機関へ紹介することになっています。それを除いても7-8%の割合で2,500g未満の新生児が生まれています。

事前に防ぐことができる可能性のあるものには積極的に対応すべきです。妊婦さんへ禁煙のすすめなど生活習慣の見直しを働きかけることで少しでもこの割合が減っていくことを期待します。

指標の計算式、分母・分子の解釈
  各指標の計算式と
分母・分子の項目名
分母・分子の解釈
分子 低出生体重児の数(2,500g未満) 早産児も含む2,500g未満の新生児の数
分母 1か月の出産数 1ヶ月間で当院で出産した児の数

B. 帝王切開率

妊婦健診で管理するに当たり、より正常な出産をしてもらうための指標です。

全国的に、近年少子化により分娩件数は減少してきています。しかしながら帝王切開率は年々増加しています。2010年の厚生労働省が調べた統計によると、一般病院における帝王切開術の割合は1984年には10%であったものが、2008年には23%まで増加しています。高齢出産や合併症を持った妊婦の出産の増加や、前回の出産が骨盤位や胎児仮死などで帝王切開になった場合には必ず帝王切開にするという方針の施設が増えてきたことによる結果だと思われます。

当院でも骨盤位や前回帝王切開で出産した妊婦さんには帝王切開を勧めていますが、経腟分娩を希望される場合にはリスクをきちんと説明しつつチャレンジすることもあります。また高齢であったり、高血圧、糖尿病などを合併している妊婦さんには、妊娠中から生活習慣の見直しを呼びかけ安産になるよう配慮するようにしています。

当院の帝王切開率は12-14%程度であり、全国平均に比べると低い方です。今後ますますハイリスク妊娠が増加してくる可能性があるため割合が増えてくることも予測されますが、前述の取り組みを心がけつつなるべく自然な出産ができるようスタッフ一同尽力していきたいと考えています。

指標の計算式、分母・分子の解釈
  各指標の計算式と
分母・分子の項目名
解釈
分子 帝王切開術の数 予定手術も緊急手術もあわせた手術数
分母 1か月の出産数 1ヶ月間の正常分娩を含めた出産数