糖尿病の治療目的は「合併症の発症、および進展の予防。ひいては正常な人と変わらないQOLを維持すること」です。そのために食事療法・運動療法を基盤として、必要ならば薬物療法を併用することでHbA1c(1-2ヶ月の血糖値の平均値)の改善、正常化が求められています。

HbA1cは貧血や輸血、肝機能障害等で影響を受けます。直近の血糖コントロールの指標ではないため急速に悪化・改善している例は把握が困難です。

2015年度の結果の解釈

2014年度より日本病院会のQI指標に変更しました。2年間の比較だけで有意差の有無・評価は困難であるため判断を保留します。
とは言え、2014年度より2015年度において、HbA1c7.0%未満の患者数がやや増加したように見えます。良い方向に捉えるとしたら、糖尿病発症早期より治療介入がなされたことにより、血糖コントロールが改善したと考えられます。

具体的な改善策は次のようなことが考えられます。

  • 健診、内科外来診療において耐糖能障害、糖尿病初期の患者を適切に拾い上げる
  • 周辺地域の医療機関との連携を強め、早期発見・早期治療を行なう
  • 外来の待合室に「数ヶ月ごとの平均HbA1cの推移」を提示、啓蒙する
  • 自宅で行えるような身近な食事運動療法について、糖尿病教室やこんぺいとうの会(患者会)を通して啓蒙する
指標の計算式、分母・分子の解釈
  各指標の計算式と
分母・分子の項目名
解釈
備考 収集期間:1~6月、7~12月 :半年に一回測定
分子 分母該当者のHbA1c(NGSP)の最終値が7.0%未満の外来患者数 -
分母 糖尿病の薬物治療を施行されている外来患者数 過去1年間に糖尿病治療薬(日本病院会提供治療薬一覧に合致した薬剤)が外来(退院時処方を含む)で合計90日以上処方されている患者数