転倒・転落発生率は転倒・転落を予防し、外傷を軽減するための指標です。特に、治療が必要な患者を把握していく指標です。

当院では、医療安全対策室で管理している医療事故・事故接近報告の集計データからの報告件数から指標を作成しています。

2016年度の結果の解釈

入院患者の転倒・転落件数は2015年度の522件に対して308件と著しく件数が減少しています。 それに対して治療を必要とする転倒/転落件数は大きく変わっていません。

安全対策担当の看護師に聞いたところ、回復期リハ病棟での転倒が減少したとのことでした。 人数が減少したというより一人で何回も転倒する人が少なかったために転倒回数の総数が減少したとのことでした。

従来当院の事故報告は紙で運用していましたが、2016年からパソコンからの入力に変更しました。 十分に周知と教育はしたており、振り返りでも十分に運用できていると判断しています。 しかし、登録方法の変更の影響で報告件数が減少した可能性もありえます。 特に軽微な転倒等の記入が忘れられることがあったのかもしれません。 年々看護師の業務は煩雑を極めています。 今後も入力状況については注意深く検討していきます。

指標の計算式、分母・分子の解釈
  各指標の計算式と
分母・分子の項目名
解釈
備考 ‰ (パーミル、千分率)表示
分子 A)入院患者の転倒・転落件数
B)治療を必要とする転倒・転落件数
A
当院集計データの【レベル0・1・2・3a・3b・4a・4b・5】
B
当院集計データの【レベル3a・3b・4a・4b・5】
分母 入院患者延数(24時在院患者+退院患者数の合計) -
医療の質向上・公開推進事業」データより
(全日本民医連 2011年60施設、 2012年70施設、 2013年83施設参加、2014年74施設、2015年82施設、2016年76施設参加)
A.入院患者の転倒・転落発生率
年度 最大値 中央値 最小値
2011年 9.7‰ 4.3‰ 0.5‰
2012年 21.4‰ 4.5‰ 0.8‰
2013年 9.2‰ 4.3‰ 1.2‰
2014年 9.7‰ 4.3‰ 1.4‰
2015年 9.9‰ 4.3‰ 1.5‰
2016年 7.8‰ 4.4‰ 1.7‰
B.治療を必要とする転倒・転落発生率
年度 最大値 中央値 最小値
2011年 0.8‰ 0.2‰ 0.0‰
2012年 1.3‰ 0.3‰ 0.0‰
2013年 1.2‰ 0.2‰ 0.0‰
2014年 0.2‰ 0.03‰ 0.0‰
2015年 1.7‰ 0.03‰ 0.0‰
2016年 0.8‰ 0.04‰ 0.0‰