要約
はじめに
当院は近隣の受診者がほとんどであり1cm前後までのポリープが発見されれば、抗血栓療法等を確認し当日中にポリペクトミーまで行うことを原則としてきた。2016年4月に表記の施設基準の届け出を行い、外来ポリペクトミーの管理料算定を開始。同基本料の施設基準・算定要件に、翌日の電話等による状態確認が定められている為、運用の振り返りと患者評価をここに報告する。
方法と結果
- 期間
- 2016年4月~2017年7月
- 総集計数
- CF:2,178例
内訳: 観察のみ: 1,575例、ポリペクトミー: 602例、止血術: 5例
検討1: 診療記録から調査
翌日電話再診し、翌日の症状、翌日の行動等を調査した。
応答: 509例、不応答: 93例。内訳は以下の通り。
- 出血のため病院受診: 3例
- 自覚症状の訴えがあり連絡や受診を指示: 27例
- 少量の血便: 10例
- 腹痛: 8例
- 腹満: 4例
- 頭痛: 2例
- 嘔気・嘔吐: 2例
- 倦怠感: 1例
検討2: 電話での聞き方を統一し、質問調査
電話で患者からの回答を引き出せた症例は40例。その内訳は以下の通り。
- 食べ物、飲み物に関する質問: 8例
- その他質問: 3例
考察
今回短期滞在手術管理料の算定準備のなか、検査申し込み時ポリープ切除を含めた説明強化し、同意書の形式を整備。結果、CF検査日の全日で基本料の算定患者が存在(1-6名/日)。
調査の結果、翌日以降、受診例3例、0.5%であった。一般的に、ポリペクトミー後の有意な出血の頻度は0-1%前後とされており、同等の頻度であった。しかし翌日患者の訴えを集計した結果、受診は要しないが、少量の血便10例を含め何らかの自覚症状を訴えた27例あり全体の約5%にのぼる。容態聴取を行って初めて明らかになったことにて、自ら病院に連絡を頂けない患者が多いことを推定。
また翌日の電話シナリオを統一し、身体症状以外にもより多くの質問を引き出すことができた。ポリープ切除当日は規定の説明用紙により5分間程度費やすが、検査が終わった安心感で説明の聞き逃しを推測。併せて説明資材や説明方法について改善の余地があることが判明。
今回の結果を踏まえ、環境構築を病院に働きかけながらより安全で効果的な日帰りポリペクトミーの実施を追及し研鑽していきたい。