みなさんは住民健診や職場の健診、学校健診などいろんな形で健診を受けられたことがあると思います。
健診=健康診断は受けてはいるものの、そもそも健診ってなにを見ているのだろうと疑問に思う方もいるのではないでしょうか?また送られてきた結果を見て、今回はこの項目がひっかかってしまった、何が悪いのだろうと不安になることもあると思います。今回、検査室のお知らせでは健診の様々な項目の見方について、これから複数回にわたり紹介していこうと思います。
肝臓は、痛みなどの症状が現れにくく、異変に気付きにくい臓器です。血液検査では、以下の項目に変化が見られます。
さまざまな臓器の細胞内にある酵素です。ASTは主に心筋や肝、ALTは主に肝に存在していて、臓器に障害が起こり細胞が壊れると、血液中にもれだしてきて高値になります。AST、ALTともに上昇する場合、肝炎・脂肪肝などの肝臓の異変が考えられます。ASTのみの上昇は、心筋梗塞など心臓や筋肉の異変が疑われます。
肝臓に多く存在している酵素です。飲酒や薬剤によって合成が促進されるため、アルコール性肝障害や薬剤性肝障害で高値になります。飲酒も薬剤服用もしていない場合でも、脂肪肝などで上昇します。
超音波検査では、肝臓の大きさ・形・脂肪の蓄積(脂肪肝)・肝炎や肝硬変・腫瘍(がん)などを評価します。
肝臓は沈黙の臓器と言われるようにいつの間にか病気が進行していく臓器です。みなさんも健康診断や定期検査を忘れずに受けましょう!
専用の超音波装置を使い、肝炎や肝硬変の状態をくわしく評価することが可能になりました。その検査法は超音波エラストグラフィ法(シェアウェーブ:略SWE)というもので、肝臓の線維化(肝臓の硬さ)の進行度が評価できます。 以前までは肝臓に針を刺して調べる肝生検が必要でしたが、この検査法では針を使わずに検査できるようになりました。