関東からは桜の便りが届き始めましたが、東北はまだ寒い日も残る頃合いですね。
寒さによる血圧の上昇(特に暖かいお部屋から寒い屋外へ出るなど急激な変動)などにより心臓に急激な負担がかかることで、心筋梗塞や狭心症といった病気が増えてくると言われています。
当院では昨年(2014年)より建設してきた新棟が完成し、2月から1階にリハビリテーション訓練室がリニューアルされ毎日、多くの患者様の機能の改善目指しリハビリテーションスタッフが寄り添い一緒に頑張っています。
さて、今回のリニューアルでは今までは訓練室の一画で行ってきた心臓リハビリテーションを、モニターやエクササイズ器具の設置、患者様の状態を把握するための検査環境を整備して心疾患リハビリテーション室として独立しました。
リハビリテーションというと多くのみなさんは整形外科の手術後や脳卒中などの歩行訓練を想像すると思いますが、心臓リハビリテーションとは心筋梗塞をはじめとする虚血性の疾患や慢性的に心不全をお持ちの患者様を対象に行うリハビリテーションの分野です。
心筋梗塞、心臓の手術後や心不全をお持ちの患者様は、心臓の働きが低下しているほか治療過程で安静な生活を続けたことによる運動能力や働きも低下してしまいます。そのため退院後もすぐには以前のような活動をすることができません。
そこで心臓リハビリテーションでは心臓に負荷がかかり過ぎない安全なやり方を行い、低下した体力を回復し精神的にも自信を取り戻して、社会復帰や職場復帰し、さらに心臓病の再発を予防し、安全で快適な日常生活を維持することを目指します。
当院では、心臓リハビリテーション認定施設を受け、多岐にわたった取り組みを行うため循環器科医師、リハビリテーション科医師、心臓リハビリテーション指導士だけではなく、看護師、管理栄養士、健康運動指導士、臨床検査技師などと協力し、専門的な見地をふまえて、患者様にたいして適切な評価や指導を行っています。
臨床検査技師として心臓リハビリテーションに関わり1年が経ちリニューアルを迎えましたが、主に心肺運動負荷試験(CPX)の心電図の監視、血圧やSpO2の記載、データの管理を行っています。
月1回のカンファレンスに参加して患者様の状態を共有しています。
普段は心臓のエコーや生理検査の業務を中心に行っていますが、心臓リハビリテーションを通して、今まで仕事上であまり関わりのなかった他の職種のみなさんとつながりができるとともに、患者様との新しい関わりもできとても充実しています。 今後も、心臓の病気で不安を抱えている患者様に心臓リハビリテーションのスタッフの一員として寄り添い、より良い快適な生活に戻るお手伝いをしたいと思います。
今野 伸康