手術で摘出された検体は病理医が切出しを行います。小さな生検検体、手術での廓清リンパ節検体については臨床検査技師が処理を行います。
自動固定包埋装置処理後の検体をパラフィンで固めてブロックを作製します。病変部位が標本化されるように、方向や深さを意識して包埋していきます。
ミクロトームを使って、ブロックを 2μm の厚さで薄切します(染色により厚さは変えます)。
基本となる HE 染色以外に、必要に応じて様々な染色を行います。HE 染色と染色頻度の高い特殊染色は自動染色装置を利用し、それ以外の特殊染色は手で染めています。
HE 染色、特殊染色だけでは診断できない場合や、治療方針の決定のために、免疫染色を行います。
-75℃で凍結した組織検体を、クリオスタットを用いて薄切し、HE 染色を行い、標本作製します。その後、病理医が標本を顕微鏡で観察し、電話で手術室に診断結果を報告します。術中に採取された腹水や腹腔洗浄液などから標本を作製し、細胞診検査を行うこともあります。
婦人科など擦過することで採取する検体、喀痰や尿などの検体、細い注射針で病変を穿刺吸引して採取した検体を標本にします。その中に異型細胞(癌細胞)が含まれていないか顕微鏡で観察します。陽性例は病理医とともにディスカッション顕微鏡で顕鏡します。組織検体が提出されたものは、組織標本との比較も行い検討しています。
ご遺族の承諾を得られた場合、臨床医の依頼を受けて病理解剖が行われます。生前診断は正しかったのか、病気はどのような状態だったのか、適切な治療がなされていたのか、治療の効果はどれくらいあったのか、などを検討します。