脳卒中

脳卒中(脳血管障害)

脳卒中は、脳の血管障害の事を総称し、大きく分けて脳や頚部の血管が詰まっておこる脳梗塞と頭蓋内の動脈や血管奇形などで脳の血管が破綻して(切れて)起こる脳出血、動脈瘤が破裂して起こるクモ膜下出血とに分けられます。くも膜下出血は突然の頭痛で始まることが多いのですが、脳梗塞や脳出血は頭痛ではなく、半身の手や足の麻痺やしびれ、言葉のもつれ、めまいなどの症状で始まります。いずれも CT や MRI で診断ができ、発症後早い段階で治療を始めることが肝心ですので、これらの症状が突然現れたら救急車を呼ぶことが重要です。

当院では救急車の受入に留まらず、通常の外来診療でも脳卒中に対応しており、受診当日に CT や MRI を行っています。脳梗塞についてはtPAも含めた急性期治療を当院入院で行えますが、血栓回収療法など血管内治療が必要な場合には高次医療機関へ転送となります。当院での入院急性期治療は点滴治療と並行し、入院翌日からリハビリテーションが始まります。さらに回復期リハビリテーション病棟もありますので転院することなしに回復期治療につながっていきます。脳出血でも手術治療が不要の場合には当院入院での急性期治療さらには回復期治療を行います。脳出血で手術が必要な場合やクモ膜下出血の場合には脳外科治療が可能な病院への転送となります 。機能分化が進んだ現代の医療体制のなかで、脳卒中の急性期治療と回復期治療がひとつの病院で可能であるということは珍しく、シームレスな医療を提供できる体制だと考えています。

また脳卒中の多くは高血圧や糖尿病などの動脈硬化が原因となっていることが多く、頭蓋内や頸部血管の狭窄の有無などの評価が必要となります。そのため当院では下記の脳卒中予防外来にて脳卒中の危険因子を把握し早期に脳卒中予防の治療を開始しています。

脳卒中予防外来

脳血管障害(脳卒中)は、罹患率/再発率の高さ・後遺症によるADLの低下、要介護度の増加が際立つ疾患の一つで、例え軽症でも再発を繰り返しながらADLが徐々に低下していくという特徴があり、脳卒中では一次予防及び二次予防が大事ということになります。そのため当院では脳卒中予防外来で脳MRIや頚動脈エコー検査の結果を元に脳卒中のリスク評価をし、脳卒中の一次よび二次予防を行っています。

特に近隣医療機関で高血圧や糖尿病の治療を行っている方については定期的な動脈硬化の評価が必要ですので一度当院の脳卒中予防外来受診をおすすめしています。今後の治療方針が決まり次第これまでのかかりつけ医からの治療を継続していただくことになりますが、動脈硬化が強く手術が必要となる場合には高次医療機関に紹介することもあります。