リハビリテーション科
脳卒中のリハビリテーション
脳卒中とは、脳梗塞・脳出血・くも膜下出血などの疾患を指し、当院のリハビリテーション対象者の約8割を占めています。
脳卒中による身体機能障害は、片麻痺などの運動障害、意識障害・認知症・失語症などの認知障害、嚥下障害・構音障害などの脳神経障害、しびれ・痛みなどの感覚障害、便秘・失禁などの自律神経障害と多種多様です。脳損傷部位によりこれらの症状が組み合わさって出現しますので、一人ひとりの患者様に最も適した個別の治療プログラムが必要となります。
脳卒中リハビリテーション治療は、急性期・回復期・生活期に分けられます。当院でも、点滴治療や血圧管理をしながら発症初期からのリハビリテーションを行っています。回復期リハビリテーション病棟では、最大の機能回復や日常生活動作の回復を目指して365日毎日集中したリハビリテーションを実施しています。生活期にあたる通所や訪問リハビリテーションでは、獲得した機能をできるだけ長期に維持するため、そして生活場面の課題に対応しています。患者様利用者さんが安心して地域で生活できるよう包括的な医療~介護サービスを提供しています。
パーキンソン病のリハビリテーション
入院しているパーキンソン病患者様に対し、薬物調整や集中的リハビリテーションを実施しています。 通常の機能訓練や日常生活動作訓練の他、手足の関節を大きく動かす体操、声量増大訓練、機器を使用した全身振動トレーニングなども取り入れています。
パーキンソン病のリハビリテーションの方法のひとつであるLSVT認定講習会の受講スタッフを計画的に増やしています。
自動車運転再開支援
安全な自動車運転は社会的課題の一つです。入院患者様を対象に、病気の後の運転の安全性について医師が適切な判断をできるための評価をしています。院内での身体機能評価、認知機能評価を行い、必要に応じ近隣教習所での実車評価を行います。患者様の退院後の生活が安全かつ快適に再開できるための援助を行っています。
家事動作訓練
身体機能・高次脳機能面を確認しながら、生活に必要な調理・掃除・洗濯などの家事動作練習を行います。例えば“調理”であれば、献立作りや必要に応じて片手動作や利き手交換、自助具の使用、さらには時間や火の管理など含めて実施します。退院後の環境を確認し、実用的な家事動作の再開ができるように取り組んでいます。
退院前訪問(家屋調査)
自宅退院の方針の患者様に対し、入院中にスタッフがご自宅を訪問し患者様の病状、家屋構造、介護力等を考慮しながら、退院後の在宅療養上必要と考えられる指導を行っています。
具体的には、各部屋の配置、手すり・段差の有無、家具家電の配置等の調査や、患者様が自宅で活動する状況を確認、また患者様・ご家族への生活指導・動作指導を行う目的で、担当スタッフがご自宅にお伺いしています。
介護支援専門員が決定している場合は同席をしてもらい、退院後に利用するサービスの準備がスムーズに進むよう調整しています。
食事訓練(摂食嚥下訓練)
摂食嚥下障害とは食べ物や飲み物を食べたり飲み込んだりすることが難しくなる状態のことをいいます。そのため摂食嚥下障害があると栄養状態が悪くなったり、脱水を起こしたり、窒息したり、誤嚥性肺炎を起こすなど生命の危機に陥る危険性があります。また食べる楽しみの喪失に繋がります。当院では安全に水分や栄養補給ができるように、また安全にお食事を楽しめるように、食べ物を口へ運ぶ動作・咀嚼・飲み込みなどの状態に合わせて栄養管理やお食事条件を設定し、舌や喉などの低下した機能を回復させるため練習していきます。
通所リハビリテーション・訪問リハビリテーション
介護保険サービスの通所リハビリテーション、訪問リハビリテーションを行っています。
脳卒中、パーキンソン病に限らず、要介護または要支援状態にある利用者さんが、その能力に応じた自立した日常生活を営むことができるようリハビリテーションを提供し、支援することを目的としています。
問い合わせ先
通所リハ・訪問リハ担当窓口:佐々木
泉病院リハビリテーション室内 電話・FAX番号 022(204)5710