ごあいさつ

当法人について

公益財団法人 宮城厚生協会は、戦後間もない1950年に設立され、現在、4病院7診療所、6ケアステーション(訪問看護・訪問介護)と地域包括支援センターを運営し、県内最大の私的医療経営体です。また、全日本民主医療機関連合会(民医連)に加盟し、「いつでも、どこでも、だれでもがよい医療をうけられる」ような制度をめざしています。そのために地域住民の人々をはじめ、医療機関との連携をはかりながら、「無差別・平等」「安全・安心」の医療及び介護活動に取組んでいます。

医療活動について

2006年11月には、当協会の拠点病院である坂総合病院がリニューアルオープンし、地域の急性期医療を担っており、長町、古川、泉の3病院もそれぞれの特徴を生かしながら地域での役割を担っています。私たちは、「生命に差別があってはならない」を基本に患者さまに対して差額室料をいただかないで、個室は医療や看護の必要度の高い方にご利用いただいています。また、医師をはじめ働く職員一人一人を大切にして、レベルアップできるよう研修システムを充実させると同時に、患者さまを中心に各職種が協力しあう「民主的なチーム医療」を実践しています。さらに、患者さまや家族の権利を尊重し、医療者側と手を取り合って医療や介護を実践する「共同の営み」を基本にしています。

地域の人々とともに

宮城厚生協会の各事業所は、現在約3万3千人の地域友の会の方々の資金も含めた協力に支えられて発展してきました。私たちの病院・診療所は「地域住民の財産」であると思っています。昨今は医療制度の改悪や格差の拡大によって、必要な医療や介護を受けられない患者さまが増えています。また、各地で、医師不足や看護師不足、療養病床削減などで地域医療の崩壊を招きかねない状況もおきています。私たちは、日々の医療や介護活動だけでなく、地域の人々とともに医療や介護の制度改善のために活動してきました。たとえば、深刻化する看護師不足に対し、全日本民医連で看護改善運動に取り組み、全国から80万筆をこえる署名を集約し、2006年12月の国会で請願が可決されました。今後とも、「生命は平等」を実現するために奮闘します。

公益財団法人移行に際して

2013年1月4日から、財団法人宮城厚生協会は「公益財団法人宮城厚生協会」に移行しました。これは当協会の「医療を民主的に運営して低額診療による良心的な医療行為の確立と、一般勤労者に対し福祉の増進と利益をはかるための厚生事業」が公益事業として相応しいと宮城県から認可されたためです。

当法人は疾病の原因を背景も含めて捉え、患者さまと一緒になって治療し、それぞれの職種の専門性を尊重しながら、医療・介護も含めた住みよいまちづくりを目指しています。

私たちのめざす医療は「患者さまの立場にたち、患者さまの要求から出発し、患者さまとともにたたかう医療」という基本的な考え方に立っています。それは「患者さまが医療の主人公であり、患者さまは医療人の援助を受けながら、自ら病気とたたかうとともに医療について正当な要求を出す権利をもっている」という患者観です。

私たちの病院には「差額ベッド」がありません。それは病気を治療するにあたって経済的格差で差別され、医療を受ける権利が阻害されてはならないと考えているからです。「営利と差別化」に反対し、「非営利と人権擁護」「平等で公平」な医療と介護・福祉の拡大をめざしています。命を守る「最後の拠り所」として、窓口負担を減免できる社会福祉法に基づく第二種社会福祉事業(無料低額診療)も広げています。国民健康保険料の引き上げ、保険証の取り上げをやめさせるだけでなく、公的医療の充実と発展、そして地域振興と活性化も私たちの大きな目標です。

2011年の東日本大震災に於いても、災害拠点病院である坂総合病院をはじめ、復旧復興に取り組み、地域における課題を実現するべく職員一同頑張ってまいりました。これらの精神を引き継ぎ、地域とともにさらに発展できるよう邁進したいと考えています。